Viewing page 4 of 99

This transcription has been completed. Contact us with corrections.

[[Image - b&w photo of Atsuta Jingū?]]
[[Newspaper clipping]]
出陣の門出・神前に朗々”空染む屍”の誓
苛烈な空の決戰が連日南海に鍔竸り合ひの火花を散らしてゐるとき、先輩荒鷲に續く出征の追すがら熱田神宮の神前沢朗々と〃大東亞蒼空死守の誓〃を告げ神域内の別宮、摂社、末社の全部に敬[[?]]な拜禮を捧げて勇躍第一線に出発した一少年飛行兵の凛々しい門出振りが神宮當局の感激の話題となってゐる
[[newspaper photo and caption]]話題の弘君[[\caption]]
〇月〇日の早朝、神宮衞士長木村綱芳氏が本宮附近を巡回中、ふと耳朶に入る氣合のこもった朗誦の聲に打たれた
ーー弘儀 大元帥陛下の赤子なりしかしてまた皇國皇軍の一戰士なり、皇御國大東亞蒼空死守はわが天命にして童且大なり、大死一番これ日本男子の本懷とするところなりーー
陸軍兵長の襟章をつけた少年飛行兵は誓詞をなほも讀みつづける
ーー宜しく弘儀この旨を體し大いに献身奉公せんとす、本日までの神恩、國恩、一家一門の御恩に報ゆるところ、ただ一死任務貫徹にあり、出陣に先だち邁進努力せんことを天地神明に誓ふーー
讀み終り恭しく神前に額いた飛行兵は靜かに本宮に近い摂社一之御前神社に歩を進め、念ずるが如く頭を垂れついで別宮八劔宮はじめ神域のあちこちに鎭座する宮々に順次拜禮を續けるのだった、最後まで見え隠れ尾行した豫備陸軍中佐の木村衞士長はすべてを直感し、懇ろに事情をただすと、熱田區中田町九山田宮之助(山田紡機製作所社長)三男弘君(二一)で、弘君は熱田神宮の擴張工事で立退きとなった現在の勅使門附近で呱呱の聲を挙げた擧げたたけに神恩の[[?]]遠さを身に徹し、享榮商業在學中夏休みを利用して全國の神社を順次參拜するなど、敬神崇祖の念をいやましてゐたが、折柄勃発した日支事變に神國日本に報ずるときは今ぞと荒鷲たらんことを深く心に[[Last line is cut off]]  

Transcription Notes:
Last line of text is cut off.