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-8- B 文化運動の機關としての事業 一、美と美術の普及 美術に対する愛情と理解とを深め、ひろく生活に美を送り込み、 美術の普及と向上につとめる。 また美術に関連する行政や施設などにつき献言、協力し、美術館 や展覧会場建設の運動を行うなど、美術界の公正な意見を代表する 機関として時宜に応じて活動する。 実例 ◇美術館建設運動 ▼1950年初め、首都建設法通過と同時に都心に近代美術館や展覧 会場を建設する運動を開始し、趣意書、建議書等を各方面に配布、 また都の当局者と数次会見した。 ▼その後文部省で国立近代美術館建設が計画されたので、これに 協力参画し、文部大臣に意見を述べ大蔵当局に陳情し、世論喚起に つとめるなど活躍した。 ▼国立近代美術館設置は今年度予算が成立し文部省にその設置 準備会が設けられ、連盟からは2名がその委員として参加、建設候 補地としてあげられた日比谷公園の案を連盟は最適として支持し、 他の文化諸団体と共同声明を発するなどの運動につとめた。 ◇都市美 ▼美術家の立場から見た「上野の不忍池埋立反対声明」を各芳名 に発送した。 ▼都市美に関する献言、申し入れを都建設局その他に数次行っ た。 ◇美術印刷の向上に協力 ▼部下の有力印刷会社及び出版会社各数十社と連盟委員会の懇談 会を開催した。 ▼凸版印刷の志村工場を連盟委員と会員有志が見学し、同社幹部 と座談会を開催した。 ◇その他 ▼都美術館の五室を占める記録画の移転運動を関係方面に繰り返 し行い、成功した。 ▼都教育庁社会教育部から美術の普及と民衆化をはかるための諮 問を受け、委員が懇談会に出席して適切な具体案を進言した。 ▼他の団体、機関、新聞社等の文化事業、展覧会演劇などを「後 援」または「協賛」した。 二、美術資材の改良 美術家の製作用資材の改良の為に、専門科学者数名を顧問に委 嘱、また資材部委員会を設けて研究につとめる。 実例 ▼東京と大阪の両通産相工業試験所で内外の油絵具の科学試験を行 い、その報告をうけ、その一部を発表した。 ▼科学者、連盟委員、業者の三者懇談会を開催した ▼顧問より油絵具科学試験の結果をうけたもの国産十五社の七色と 欧州七色の七色。第二次として約十色。(この科学試験の結果に、 両家として使用上の厳密な試験の結果を加え、連盟が責任をもって 優良品を発表する予定である。) ▼その他、顧問によるコバルトのX線試験、蛍光灯のの色彩試験の 結果を発表し、またカンヴァス塗料の研究などを行った。
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